第六部 「・・・惜敗」 第7ゲーム、今年は決勝戦が無いので、これがいよいよ最終戦。第Tフィールド、対Fチーム。可動フラッグ移動戦。フィールド中央に設置された5本の可動フラッグを、それぞれ相手方に押し込み、押し込んだフラッグ一本につき2点獲得出来る。これも最高10点取れる。ラストゲームに来て、大量得点、逆転優勝の可能性さえあるのだから、クジ運も良かったようだ。 第Tフィールドは駐車場から一番遠く、途中、川を渡らねばならない。この橋が仮設のような未舗装で、水面にも近く、冷たくて気持ち良さそうだ。仮設と言っても、クルマが渡れるほどだが、べトコンブラザーズは足をズブ濡れにしてやってきた。どうしたのかと聞くと、「いやぁ、橋が落ちててさぁ」と川を歩いて渡って来たらしい。川と言っても、もはや雪解け水も無く、水量も少ないので、足首ほどの深さしか無い。そうは言っても、草履だから出来る彼らだけの特権であろう。 このフィールド、フィールドと言えるのかどうか、ど真ん中を砂利道の道路が突っ切っている。スキー場への私道をそのまんま使っている。そのため、一般の人がゲーム前に入って来てしまった。何事かと思っただろうが、この2日間だけゲームに使っているとのことで、お引取り頂いた。申し訳ない気もするが、どのみち、この先は駐車場から先の野山も全て、我々がドーンと占領してしまっているので、来ても引き返すしかないだろう。お互いの距離は結構遠い。その割に、ラインの引かれたフラッグのある中立エリアは意外に見通しが利くので、激しい銃撃戦になりそうだ。しかし、その前後の地形が明暗を分けた。相手チームからは少し窪地があるだけで、中立エリアに辿り着けるが、こちらは道路は平坦だが、両脇は逆に盛り上がっているので、小さな丘を越えるカンジ。丘から顔を出せば、窪地にいる相手から丸見えで狙われる。侵攻に非常に手間取る結果となった。 ゲーム開始と同時に、双方道路を猛然と中央のフラッグエリアまでダッシュ。いきなり激しい銃撃戦。隠れる所はあるが、フラッグに届かない。すると、今度は右手の崖の上からも打ってくる。必死で打ち返すが、これは分が悪い。味方も崖に取り付いたようで、崖の上での撃ち合いも激しい。自分のいる左翼が例の丘越えで、フラッグは林の中、目線のかなり下。取り付こうとすれば、銃撃を浴びるから、敵を殲滅するしかない。敵も同様なので、膠着したまま弾切れ。これはマズイが、予備の弾はモッチーが道路を挟んだ右手の岩の陰に持ってきている。しかし、銃撃の飛び交う道路を越えるのは至難の業。すると近くでバグパイプを吹いていたバット少佐が、弾が一杯余ってるとのことで、分けて下さった。早速弾を補給したものの、左翼の相手は強く、気を取られていると、道路の反対側の窪地から打たれてヒット。周りを良く見ずに、一方向にしか目の向けられない自分の浅薄さが、またも露呈した。セーフティーに戻るにも銃弾の飛び交う中を通らねばならず痛い。 全滅はしなかったものの、相手に押され気味のまま終了。ヒット数は勝敗に関係ないが、Kチームのヒット数は多く、フラッグは2本が押し込まれ、こちらの数はゼロ。最後のゲームにして負けた。優勝も夢と消えた。残念だが、いろんなゲームが出来たのは面白かった。駐車場への帰り道、みんなが仮設の橋を渡る中、べトコンブラザーズは、またも橋を無視して、川の中をジャブジャブと歩いて渡っていた。気持ち良さそうだ。 最後はイベントゲーム、250対250。自分は体力を使い果たしたので、休憩を申し出たが、サカモト隊長のデジカメを渡され、撮影班を命ぜられた。もはや歩くのも辛いが、山の上までお付き合い。シュヴァルツもお休みモードだったが、無理矢理引っ張り出されて登って来た。相変わらず3人とも銃は持って来ていない。 今回もコスプレ全開で、河童・虚無僧・旧日本軍・SEALS、などなど、それにシュヴァルツ英軍ユニットも軍旗も持参でひときわ目立つ。東京外(国)人部隊も集まっている。彼らが集まると、ここが日本なのかとも思う。 ![]() ゲーム開始、しかし、2日目のラストとあっては、参加者の疲労はピークでノリが悪い。一応、大将戦なのだが、あまり大将を守っている様子も無く、それぞれ勝って気ままにあちこちで撃ち合い。河童と虚無僧の一騎打ちや、旧日本軍の突撃、大将同士の一騎打ちもあったが、それぞれ単発で盛り上がりに欠ける。撮影隊としては、撮り易くて助かるが、全員が一斉にバトルロイヤル状態で派手にぶつかり合う方が盛り上がるかとも思う。それを察したのか、スタッフがメガホンで突撃を煽る。しかし、単発で何人か時々突撃するだけで、やはり盛り上がらず、苦労してたようだ。 サカモト隊長とオータ参謀はハンドガンを持って森の中に消え、しばらく撃ち合いしてたらしいが、やがて出てきた。隊長は森の中のぬかるみでコケて、ケツがずぶ濡れになっていた。もうこれで、ゲームは無いので、困ることは無いようだ。 |