第五部 「続・無敗」 我々年寄りは、朝食をしっかり採らないと、一日の体力がもたない。早めに動き出したつもりが、ゲーマーの朝は早く、6時半の朝食開始の時間には、入口は行列。食事のスタイルは同じだが、パンは取り放題のようだった。それに気がついたのは食べ終わってからだった。一応、エネルギーは補充したカンジだ。 去年のようなスコールは無かったが、風が少し強かったので、テントが心配でもあり、早めにフィールドへ向かう。テントは無事で、オータ参謀のレギュレーションチェックも早々に完了。ゲーム開始まで1時間以上余裕が出来た。自分はその間、たっぷり横になって休ませてもらったが、寝てたのは自分ぐらいで、これからがゲーム参加になるオータ参謀をはじめ、皆、元気だった様子。今日も天気が良く、珍しく2日間とも天候に恵まれた。 第5ゲームは第Uフィールド、対Dチーム。通常フラッグ戦。駐車場のすぐ裏の森で、第Vほどではないが、結構距離がある。我々は右翼のブッシュから侵攻。サカモト隊長と自称スナイパーのオータ参謀が、先陣に続き中盤を進む。2日目ともなると、今回特に体力の無い自分はついて行けず、モタモタと後方から続く。中央では今日も元気にバット少佐のバグパイプが鳴っている。攻撃と呼べるかどうかは解らないが、最前線ではないにしろ、陣地の防御が無事であることはわかる。攻撃側としては、安心して突撃できる判断材料になるらしい。 右翼でも、一メートルほどの高さのブッシュの中で銃撃戦。オータ参謀のいる辺りだが、相手チームに、以前のASCSで同じチームとして組んだ、「左翼」を得意とする通称「横須賀隊」が居り、それに会敵したらしい。相手の出方が判っているとはいえ、参謀のショットガンが一発撃たれる度に、敵方面から「ヒット」の連発。そのペースが尋常ではない。コッキングではあるが、オータ参謀の銃は最高で一度に3発ずつ放たれるので、最前線でこれに狙われてはたまらんだろう。次々に敵兵が戦死して引き上げて行く。後で参謀自身から成果を聞いて驚いた。なんとこのゲームだけで7人をゲットし、加えて「ワンショット・ツーキル」を実現したという。参謀自身、夢のような偉業と自らを称えていた。 しかし、戦況としては膠着していたようで、右翼もオータ参謀の快挙はあったものの、フラッグまではたどり着けず、時間切れで引き分け。相手もかなり強かったかもしれない。今回のASCS初ゲームにしてエンジン全開の参謀の快進撃が光ったゲームだった。 第6ゲームは第Wフィールド、対Jチーム。ブラックボックス回収ゲーム。フィールド内のどこかに隠されている、水を満載したポリタンクを、時間内に奪取していくゲーム。奪取されても、敵から奪うのもアリ。相手を全滅させない限り安心できないワケだ。タンクは全部で8個。赤ポリタンクが2個、各3点。白ポリタンクが6個、各1点。最大12点稼げるから、このゲームの勝敗は大きい。しかし、ポリタンクは重さ20キロ。これを持って足場の悪いフィールドを走らねばならないのだから、相当体力を使う。これは、身軽なべトコンブラザーズに活躍してもらうほかない。更にフィールドの開けた所、草原エリアには、昨年ハンドガン戦で初登場した、エアで膨らませたゴム製の立体バリケードが 数個、鎮座している。しかし、ポリタンクは森の中に隠されているようだ。 陣地は地形的に、上か下であるが、Kチームは上になった。ポリタンクのある森に駆け下りる時はまだいいが、ポリタンクを持って駆け上がらねばならない。スタートダッシュで、いかに早くポリタンクを見つけられるかにかかっている。 普通はゲーム前に、フィールド案内と、互いの陣地の確認があるのだが、今回は無かったことに後で気がついた。フィールド内にポリタンクを隠してあるのだから、当然なのだった。陣地への移動だけでゲーム開始となる。 開始と同時に、若さと体力のある者は、ダッシュでエアバリケードのある草原まで駆け抜け、フィールドの端の、なるべく高い所から、ポリタンクの隠されている中央の森へ。結果的に、これが作戦成功に繋がったらしい。敵は中央の林に登っていかねばならなかったようで、味方が早々にポリタンクを発見出来たらしい。 自分は相変わらず後方からの支援ということで、草原と味方が取り付いた中央の森を見下ろす位置で援護射撃をするつもりだった。しかし、自分が見易いということは、相手からも発見され易い。更に、このフィールドは、我々の陣地のある上方から、下方に向かって扇型に広がっていたのだ。中央の林に気を取られて、更に下方に広がっていた、敵陣地のある森から長距離射撃を食らって、開始5分と経たずにヒット。警戒心の無さが露呈した。どうも自分は、サバゲー向きではないようだ。 セーフティーは草原エリアの下方にあり、珍しくフィールド全体が見渡せるし、攻防が手に取るようにわかる。死者がゲームを眺めるのは、ゲーム中のプレーヤーに敵の場所のヒントを与えてしまうかもしれないので、ホントは良くないだろうが、声を出したり指を差したりしなければ、まぁ大丈夫だろう。プレーヤーもゲームに夢中で、死者の視線など気にして無さそうだ。 ゲームは味方がかなり押している。中央の森から、次々にポリタンクが運び出される。運搬はべトコンブラザーズと、シュヴァルツの若手だ。白はともかく、なんと赤ポリも二つとも奪取に成功した。そうなると、敵の攻撃が厳しくなる。奪取しただけではダメなのだ。奪還を阻止するために、守備も重要なのだが、敵はなかなか草原エリアに出て来られない。上から味方が制圧しているためだ。中央の森も、上方を味方が制圧したらしく、敵は中央突破も出来ず、下から草原を突っ切って、我々の陣地の森へ行くルートしかない。その草原では、バグパイプの演奏が響いている。味方が制圧していることを示しているが、敵も必死。バグパイプめがけて徐々に進出して来た。バグパイプを吹いていれば撃てない、と普通は思うが、バット少佐は違った。片手で演奏しながら、片手で銃も撃つという離れワザを見せた。やはり少佐はサバゲーマーであった。 途中、赤ポリを二つとも発見したオータ参謀がヒットされてしまったものの、結局、味方陣地への侵攻を許すことなくゲーム終了。今回のASCSの他のゲーム同様、ヒットの人数は点数に関係なく、奪取したポリタンクの数がKチームが圧倒的に多く、大勝。何点取ったか忘れたが、モッチーリポートによると、Kチーム9点、Jチーム3点とのこと。かなりの大量得点にKチームの士気も上がるが、このフィールド、最高11点取ったチームがあったそうだ。 |