2000/08/19・20 ASCS参戦報告

 第二部  「惨敗」

 1300時から開会式。
協賛のメーカーやショップは今まで通りだが、あの柄の悪いグラサンがいないだけで随分雰囲気が変わった。
TPO連合軍の各隊長4名は、開会式の前に編集長に挨拶に出向いたが、なかなか礼儀正しく、たいへんとっつきやすい方であった。
若いスタッフとの連携もとれているようだ。今回の参加人数は572名(だったかな)、それを15チームに分け、更に5チームずつの3リーグ総当りという布陣。
我がTPO連合はCチーム、第1リーグ、第1ゲームはいきなり休憩で腰砕け。
戦闘フィールドは第Tから第Yまで、場所も昨年とほぼ同様であった。
第Vフィールドがハンドガン用のオープンなフィールドで、ベニヤ板などのバリケードの替わりに、今回はエアを入れたカラーのゴム製のバリケードが10数個鎮座している。
形も三角錐だったり、円柱だったり、バリエーションが多く、ちゃんと地面に固定されている。
背丈より高いものも低い物もあるし、いろいろな使い方がありそう。
エアは発電機から常に各バリケードに送られているので、しぼんだりせず、見かけよりなかなか丈夫で、BB弾で割れることも無いらしい。
その第Vフィールドが我々の今年の初戦である第2ゲームのフィールドなのだった。
第1ゲーム休憩の我々Cチームは早速チーム写真の撮影。今年は個人写真は無いが、
ミレニアム記念ということで、参加者各々にネーム入りの認識票が、いつもの布製パッチと共に配布された。
これはなかなかいい記念になった。
惜しいのは600人近くいれば、やはり出てしまうミスパンチと、ネームの打ち方がローマ字(いわゆる、キーボードのローマ字入力の打ち方)であること。
ちなみに、自分のネームは「TUSIMA」となっていたので、「TSUSHIMA」に慣れた目には、なんか間抜けに映ってしまう。本当に惜しい。

 休憩とはいっても、戦いに来たのだから、はやる気持ちでとても休む気にはなれず、やはり第Vフィールドの様子が気になるので、ハンドガンの準備をして、第1ゲームを観戦に行く。
フィールドから少し高い位置からゴーグルを着用しての観戦。
およそ50メートル四方のフィールドに、両チーム70名が入ると、やはり狭く感じられる。
1400時ジャストにゲーム開始。以降もジャストタイム時にゲーム開始だから解り易い。
やはりというべきか、スタートと同時の壮絶な打ち合いで、半分程度の人員が掃討された。
この狭いフィールドで、突撃タイプ同士のチームでは、こういう展開か。
これからゲームが膠着するか、じりじりと詰めて行くか、見物だったが、この対決意外に展開が早く、少しずつ間合いを詰めたチームが総攻撃を開始して、なんと開始5分でフラッグをゲットしてしまった。
攻め入ったチームが上手かった。
ゲームが終わったところで、フィールドの下見をしようとFMに聞いてみたが、
向こうのチームと同じ条件で臨まねばならないとのことなので、下見は許可されず。当然か。
時間になって双方のチームが揃い、フィールド案内で入ってみて驚いた。
フィールドの中にミゾというか、水路が通ってしまっている。元はスキー場なのでこんなモノがあるのか。
そのおかげで、四角いフィールドが水路に沿ってえぐれており、水路を越えては進めない。
ということは実質、フィールドの4分の1が使えない。
しかも、それが、相手陣地側にあるので、こちらが攻めるときには、中央か向かって右翼しか進めない。
左翼は援護のみ。スタートダッシュでなるべく右翼の方に多く展開して、中央と共に進軍ということか。

  そんなことをサカモト隊長とオータ参謀が話していると、タニー隊長がモッチー大将に訓示を求めておられる。
我々にとっては初戦となるので、いっちょ気合をいれてこう、ということなのだろう。
もう、開始寸前だが、やるとのことだ。モッチー大将が軽く演説して、例によって「ビバ、モッチー」とやってたら、盛り上がりすぎて、ホーンの音を聞き逃し、なんと「うおぉ〜」と始まってしまった。
つまり、TPO連合はほぼ全員が出遅れた。ハンドガンとはいえ、狭いフィールドだ。容赦無く弾が飛んでくる。
弾をかいくぐり、中央付近のバリケードにたどり着くが、既に味方が貼りついているところだ。
野郎が二人もいると、バリケードの形にも依るが、もう隠れることも出来なくなる。
弾は正面からだけでなく、油断してると、斜め前方からもしつこく狙ってくる。
特に、敵は我が胞が進軍出来ない、例の水路を挟んで撃ってくる。
伏せていればやり過ごせると思ったのが甘かった。斜め前方から、足を打たれ戦死。開始5分も経っていない。
すごすごとフィールドの外へ出るが、流れ弾がこれまた容赦無い。
  自分がやられたのは、まだ早い段階だったが、我が胞側がどんどん劣勢になっていく。
モッチー大将もやられ、リーダー不在。
JACKのリーダーが替わって後方から、味方に指示を送っているが、やはり戦死。敵はジリジリと進軍。
突撃してきた敵と、今回、シュバルツからDHCに出向してきた野沢氏が、バリケード越しに派手に揉みあい、なんと野沢氏がエアのバリケードを持ち上げ、敵の上にのしかかってしまった。
これは「アリ」なのだろうかと見ていたら、相打ちになったらしく、二人とも引き上げてきた。
セーフティエリアでの戦死者の数を見れば一目瞭然だが、味方は数えるほどになり、
敵が総攻撃を仕掛けて来て、あっけなくフラッグアタックされた。カンペキに負けた。
そこそこ今回のチームはまとまりがありそうだ、と思ったが、敵が上手だったのだろう。

 続いて第3ゲームは、昨年大不評だったフィールド。
何故か性懲りも無く、名前も同じ第Wフィールドになってるし、入ってみれば、これまた何の工夫も無く、昨年とおんなじ作り。樹木の密度が濃く、水はけが悪く、足場は泥水だらけで、相変わらず狭い。
とにかく敵との距離が短い。開始前にフラッグの前に立つと、なんと敵がブッシュの先に見えてしまうのだ。
長物電動ガンなら、十分届く距離ではないか。
とにかく左右に展開して、先に敵の頭を抑えられればなんとかなるかもしれない。
「わがまま」は左翼からの進攻。思った通り、ゲーム開始と同時に早くも弾が飛んでくる。
姿勢を低くして左翼のブッシュに飛び込み、進攻するが、あっけなくヒットされた。
これまた開始早々のことで、ほとんど撃ってもいない。
 今回も味方は劣勢。やられて出てくるのはウチのチームばかりで、どうも幸先悪い。
そのうえ敵チームからは、なんと顔から流血して出てくる人がいた。
撃ち合いが至近距離になってしまったのだろうか。
すると、流血した人の話しを聞いて、敵チームリーダーからFMに、
当チームの銃にパワーオーバーがあるのではないか、との指摘があった。
その間にも次々とヒットされた兵が出てくるが、Cチームばかり、そして、笛が吹かれた。
フラッグアタック・・・されたのだった。スコアも負けたが、ゲット数の差はあまり無かったようだ。
しかし、これだけでは終われず、先ほどのパワーオーバーの確認とのことで、
Cチームは居残りで再度全員の銃のレギュレーションのチェック。
30人もいると時間がかかるし、ほとんどは問題無いのだが、なんと野沢氏の銃がどうやらパワーオーバーしているとのこと。
朝のチェックの時は通ったはずなのに、なぜ今ごろなのか?とにかく、野沢氏は銃が使えなくなってしまった。

 その頃、午後から怪しくなってきた天気が、ついに崩れ始めた。
昨年とほぼ同じ時間、スコールがやってきた。
地面からは水しぶきが上がり、上からの雨水は川のように流れ始めた。急いでテントに戻ると、想像以上に快適。
昨年はターフに水が溜まり、重みで倒れそうになるのを必死に支えてずぶ濡れになったが、今回は密閉型のテントなので、大粒の雨粒でも全く影響無し。
テントの中では打ち付ける雨音を聞きながらくつろげるほどの余裕。
他のテントやターフの惨状を見るにつけ、昨年の苦労を思い出すが、今回は高価なテントに投資した甲斐があった。やはり快適さはおカネで買えたのだった。
当然、予定時間になってもゲームは開始出来ず、待つばかり。既に足元は水が浮いているほどだが、セーフティーにある何ヶ所かの水路も、ついにあふれ始め、水路脇のテントが浸水、我々のテントも、その水路脇なのだが、テントの内部は袋状なので、脇からの浸水も全く無い。
その水路にベトコン兄弟が通りかかると、水路に飛び込みながら、
地面に伏せて銃を構えるパフォーマンスに大歓声。
もとより彼等は傘や合羽も持たず、日よけを兼ねた唐笠だけでよくやる。

 しばらくして、やはり、というか、本日の残りのゲームは中止とのアナウンスが流れた。
第4ゲームに入る前で良かったが、明日に順延としても、予定はどうなるのか、全く情報が無い。
モッチー大将に依れば、このままホテルにチェックインとのこと。
テントはそのまま残し、浸水の心配も無いので、銃も残し、着替えのみ持って撤収。
駐車場へ戻る道も湿地帯のようであったが、ホテルに戻るにつれ、雨が上がってきた。
例によってホテルに入るには着替えねばならず、ガード下で着替えてチェックイン。
ASCS専用のカウンターでカードキーを受け取り、入室。
ちょうど4人なので、わがまま突撃隊で一室にしてくれるかと思ったが、どう言う訳かオータ参謀だけが別室。
多分DHCの誰かが部屋に来ることになるかと思われるので、
とりあえず部屋にいて後で替わってもらおうと待っていたが、夕食の時間になっても、もう一人やって来ない。

 とりあえず遅くなると混むかもれしないので、食堂に向かう。
増築を繰り返した建物なので、移動にかなり時間を要す。
昨年のようにバイキングかと思っていったら、なんといきなりトレーを渡され、一歩進むと次々と料理をのせられ、デザートまでのっけられて一丁上がり、ってカンジで料理を選ぶことも出来ず、これまた次々と席につかされる。
これじゃまるで給食だ。
昨年は我々に対するホテルの扱いに激怒したのだが、料理についてはそれほど美味くは無いが、選ぶ余地があったので、まだ許せた。
今年はホテルの正面から入れたものの、プリンスにまで泊まっておきながら、いくら団体だからといっても食事が給食並みとは納得がいかず、今回もそれほど美味くも無い食事を食べながら、沸沸と軽い怒りが沸いた。
しかし、評価としては、昨年食べ過ぎたからだろうというのが大方の見解で、今年の方が、全員が平等に食べられるし、改善されたとする向きが多かった。
所詮、我々にプリンスレベルのホテルは似合わないのかもしれない。
満腹にはなったが、満足とはいかず、ピザを追加して部屋で食べる。

 夜はモッチー大将の部屋で、今日の惨敗の反省と明日からの作戦会議。
なぜDHCは勝てないか、という難しい議題になってしまったが、中身は半分お笑い話しになってしまった。
酒が入ると、つい話がそれてしまう。それでもこうして顔を合わせる時間は貴重ではある。
戦闘能力や、銃の性能にさほどの差は無いはずだから、指揮命令系統の強化、
意思疎通の強化で明日は戦おうということでお開きなった。
同じフィールドのゲーム仲間とはいえ、寄せ集めのチームはなかなか難しい。
部屋に戻った我々年寄は、皆、この大会のために無理して仕事をしてきたこともあって、さすがにそれ以上話す気力も無かった。