2009/05/09 戦況報告

ファンタ隊員のナムレポート
(バトルシティ「フルメタルジャケットな気持ち」)

196X年5月 越南 南部の地方都市「フーエ」で開放戦線の活動が活発化し
ついに市内においても銃撃戦が発生する状況に至った。
在越南米軍司令部は、付近に駐留していた各部隊に対しフーエの治安回復を下命した。

第1騎兵師団はこれに伴い指揮下の部隊をもってフーエ市街を包囲し
多方面から侵入させて制圧する作戦をとった。
フーエ南東からは第1騎兵のS少尉指揮下1個小隊と、合流した海兵隊1個小隊
それに本隊からはぐれたために臨時に編入された101空挺と25歩兵師団の数名が作戦に参加した。


市外に集結した「治安部隊」。
中央にいるのが指揮官のS少尉。
後ろにいるのは海兵隊員。


同じく「治安部隊」。
101空挺のパッチが見える。

ゼロアワー(作戦開始時間)。
部隊は前進を開始した。
郊外の集結地から市内に向かってODの列がゆっくりと進み始めた。
縦列がとまり、いっせいに左方に視線が集中する。
どうやら先頭がVCの斥候を見つけたらしい。
我々の到着を知らせるために、仲間のもとに戻ったのだろう。
我々が着くころには北の歓迎委員会が手ぐすねを引いて待っていることだろう。
熱い歓迎が想像された。


部隊は市内に向け前進を開始する。


VCの姿を認め、部隊に緊張がはしる。

その後、部隊は何事も無くフーエ市外縁に到達した。
だが誰も喜ばなかった。
自分たちが無事にここまで来れた理由を知っていた。
VCはやる気なのだ。
我々を市街に引き込んでから事を始めるに違いない。

全ての建物は要塞となり、全ての窓は銃眼となる。
味方との連携は難しくなり同士討ちの危険も増す。
兵力の優越がかえって仇になりかねない。
VCはそれを知っているのだ。
我々はそれを承知の上で市街に入らねばならなかった。
それが命令であるからだ。


さしたる抵抗を受けずに市街地の外れまで到達。
市内への入り口を確保した。

治安部隊はさしたる抵抗も無く、フーエ市街の外縁に取り付いた。
解放戦線の砲撃や友軍の爆撃を受けた市内に人影はなく
建物も全て全半壊しており、廃墟と化していた。

部隊の第1目標は、米国大使館フーエ出張所の確保である。
「不測の事態」を想定されて作られたその建物は
治安活動の拠点として「どうしても必要」というのがその理由とされていたが
市内の中心にあるため、市街を抜けていかなくてはならない。


出張所を目指して市内に向かう治安部隊。
101空挺の部隊である。

突然、銃撃が始まった。
隊員は散開し、遮蔽物の影に入る。
AK47の銃声、解放戦線の攻撃だ。
だがいつもどおり姿は見えない。
S少尉はさらに部隊を投入し、付近の捜索撃滅を命じた。


101に続いて前進する部隊。

第1騎兵と海兵隊が前進すると、銃声が爆発的に増えた。
まるで蜂の巣に入り込んだかのように街中が銃声に包まれ
銃弾がそこいらの壁に当たって音を立てた。


市街戦 通りを制圧する


市街戦 ひとつの部屋を制圧し


市街戦 次の部屋へ向かう

隊員は建物、部屋、交差点、通り、路地を巡って戦った。

部隊が大使館出張所に接近したとき、戦いは最高潮に達した。
出張所そのものの確保を命ぜられた海兵隊員は釘付けとなり、多数の死傷者をだした。
増援として派遣された我々第1騎兵も同じだった。
制圧したはずの路地から銃撃を受け、後退しまた前進する。
その繰り返しで多くの若者の血が流された。
だが、我々は前進することをやめなかった。


市街戦1


市街戦2


市街戦3

激烈な市街戦のすえ、我々はフーエを完全に掌握した。
捕虜も得た。勝ったのだ!

しかし大使館出張所がどこなのか分からない。
建物はみな瓦礫なので仕方が無い。
街の中心部にある大きな建物だから行けば分かる。
そう言われて来たのだ。
だが、どう探しても「大きな建物」も「大きな建物だったもの」もない。
捕虜が尋問されるために連れてこられた。
彼はこの街の住人だというおじさんだ。

「大使館の出張所はどこだ」
「エ?ソンナノないヨ」
「うそつけ!フーエ出張所があるはずだ!教えろ!」
「・・・ココハ「ふーえん」ダヨ。「ふーえ」ハモット南ノ方ダヨ?」
「・・・・・」
「モシカシテ、まちがえテタ? ぷっ」

水田に沈む夕日に照らされて、我々は立ち尽くすほかに成すことを知らなかった。


尋問されるおじさん。


立ち尽くす我々。

以上報告終わり。
ベタネタですいません。

ファンタ隊員 報告ありがとね
いずれは私もナムへ行ってみたいので
その時は案内よろしくね

ちなみにファンタ隊員は
前週は1944年のオランダにいたようです


開会式の様子


町の広場に集結する独逸部隊


戦い済んでくつろぐ米軍101空挺師団の将兵

2週連続でお疲れ様でした〜