2007/09/08・09 戦況報告

ファンタ隊員の初レポートであります
(ケ号作戦 参加手記)

小官ことファンタ上等兵は、去る九月八日、九日の二日間
静岡県下において実施された第11回ケ号作戦に参加してまいりました。
同作戦の二日目に当たる九日は
小官が所属するわがまま突撃隊の定例会の実施日と重なっており
これを蹴散らしての参加に怒れる隊長から
同作戦の参戦レポート提出を命じられたもので
以下に作戦の様子などを記します。


 静岡県下ニオイテ「ケ号作戦」発動セラルルトノ報ニ接シ
小官ハ戦友G上等兵トトモニ、コレニ参加セント企テ
同日行ワルル所属テイムノ定例会ヲスッポカスコトヲ決意セリ。
以下ニソノ行動ノスベテヲ記ス。

第一日目
 車両の運転は好きだが首都高速は大嫌いな小官は戦友と図り、早朝に本県を出発し
未だ夢覚めぬ我が帝都を文字通り高速をもって突破せんと試みるも
戦友が職務上の予期せぬ問題により「始発電車で帰宅」という状況に陥ったため
あえなくこ れを断念するに至る。
八日午前九時ごろに都県境を越える状況で出発。
制限速度=法定速度(一般道)という羊頭狗肉にも等しい高速道路を通過し
一路静岡を目指す。

要所要所にて交通渋滞に巻き込まれつつも、同日昼まえに現地に到着。
他の戦地(ヒストリカルイベント等)で共に戦った戦友なども参加しており
久方ぶりの挨拶の後 に宿営地の設営を開始した。
今回の参加はイベント参加そのものと野営経験値の向上を目的としていることから、
調達したツェルトテント(二等辺三角形のポンチョを四枚組み合わせて作るテント)を
戦友の指導を受けつつ二棟設営した他「野戦指揮所」(日除けを展張した下にテーブルを広げた場所)を設営した。
初めてにしては特に混乱もなく、活動は順調なり。

写真1「野戦指揮所」

アングルは悪いが現地はこんな感じ。
下草が無く樹木が適度にあるのでキャンプには最適な環境。
すぐ近くに水場と簡易トイレもある。
ちなみに私有地なのでイベント以外では使用不可。

宿営地の設営を終え、身辺を整えた後、制服に着替え戦闘装備の準備にかかる。
がしかし、初日は戦闘なし。
皆、久しぶりに会う友人知人らと挨拶と駄弁りに耽る。
小官も戦友らと「指揮所」で駄弁り、しばし日常を忘れる一刻を楽しんだ。
そのまま夜間 に突入。深夜まで飲み語らう時間が続いた。
小官は午前零時ごろ床についたが、寝具にはウレタンマットと毛布をひき
その上に寝袋を準備したが、標高が高いせいか温度的にはちょうど良い加減であった。
しかし 冬は更なる対寒対策が必要と認められる。

 

第二日目
 早めに起床し、身支度を済ませる。
周りも動き出してなにやらイベントの雰囲気が会場を包む。
弾速測定も始まって「よーしじゃー俺も」と思ったら測定中止。
「?」と思っていると、初速オーバーが発覚したとの事。
のみならず主催者が当事者を連れて地元警察へ出頭しに行ってしまったのである。
このへんは個人主催とはいえ厳格に対応をとっており
参加する方としては主催者に対する信頼が深まり
安心して遊べるというものである。
開会式でも主催者からオーバーの件について話があり
警察の対応は穏便というよりは
好意的ではあるが厳格な対応であったそうだ。
従って、このような事態が重なればイベントの存続が危ぶまれる。
とのお言葉であった。

 で、ゲーム開始。
ゲームは普通のフラッグ戦であるが
参加者が仮装、いえ軍装に凝っている人々なので
多分に「ネタ」を要求されるのが、通常のサバゲーと違うところであろう。
なにせ旧日本軍、旧独逸軍、米軍歩兵、米軍空挺兵、米軍海兵隊をはじめ
ソビエト軍、国民党軍、満州国軍、国防婦人会等々。
ちなみに旧日本軍の指揮は 満州国軍の少尉が執っておられた。(え?
また、手賀条に加盟されておられるシュバルツの皆さんも参加されており
キルトを身に着けたイギリス軍(スコットランド師団?)がバグパイプの演奏付きで林の中に消えていく姿は小官の胸中に筆舌では表し難い感情を残した。
「ここ、どこ?」

さらに、勇猛果敢なる戦闘精神を遺憾なく発揮し、敵陣を陥落せしめた若き日本兵が
陣地陥落と同時に敵米兵から「空気読め!」と罵倒された後
友軍に処分されていたのも印象的であった。
「ゲームの性質上彼の行動は間違っていません」

雰囲気そんな感じ。で午前中に2ゲームだか4ゲームやってお昼休み。
さて腹ごしらえ・・・・。 ここでアクシデントォ!
なんと食い物が無い。前日に調子に乗って食い尽くしてしまったのである。
考えたら食料のことはほとんど考慮していなかったことに気が付いた。
補給兵站業務を軽んずる戦略眼の無さは
旧帝国陸海軍以来我が国の由緒正しい伝統である。
幸い隣接していた戦友が余分に糧食を保有していたのでご好意に与ることになった。
いただいたのは文明的な生活を拒否し、古き良き生活を営まれていらっしゃる
クェーカー教徒の皆さんがお作りなった(かどうか知らない)
カラス麦でできた「クェーカー印のオートミール」である。
うほっ、良い食べ物!
早速いただくと、オートミール自体に味はほとんど無いが牛乳と蜂蜜を混ぜるとこれがなかなかイケルのである。
いわゆるコーンフレークの類と考えていただければよいかと思う。
好みに合わせて付け合せを変えれば、ダレでもドコでもイケそうである。
作り方も簡単で、煮て蒸すだけ。
調理が簡単で、栄養価が高く
なりより暖かいこの食べ物は野戦食としては重宝しそうである。
そうして食べて終わった後は、そう、昼寝の時間である。
「え?ゲームは?」などと言う無粋な輩は独りもいないのである。
小鳥のさえずりと梢のささやきとのはーもにーを 楽しむオトナの時間なのである。

写真2 「オトナの時間」

 指揮所にてオトナの時間を嗜む小官と戦友ら。
次回は紅茶とクッキーを用意 せねばなるまい。
「指揮所」なのに赤十字が掲げられているのは軍事機密でありその理由は明かせない。

ゆったりと休んだ後、おもむろにゲーム再開。
今回は枢軸軍側が連合軍側に比べて多く、中でも旧日本軍だけで30名位いたため
パワーバランスを考慮し「最初に日本兵だけ突撃して玉砕し人数を減らす」などという歴史色満載のルールでゲームは進行していったのである。
小官が所属した武装親衛隊では、捕虜になった連合軍兵士が衛生兵の手により
「医学の進歩に供された」りしていたようである。
衛生兵のあからさまな眼を見て嫌な予感を覚えた小官は、その場を足早に立ち去ったので何が行われたかは全く知らない。

このような微笑ましい雰囲気の中
6ゲームだか8ゲームやってイベントは終了と相成った。

写真3 「戦友と」

この他にも有志によるミニ映画の撮影や当時使用されていた軍用車両
自走できる車体は日本には1台しかないと思われる
ケッテンクラートと言う特殊車両も参加し、
試乗会のようなものも行われたが、書くのがめんどくさいので省略した。
そして主催者のゲーム終了の合図をもって、第11回ケ号作戦はここに終了した。

 

 戦ヒノ終ワリシ後ハ、額ニ汗スルモ心地ヨキ清涼感ヲ得
モッテ本作戦ノ戦果ト成ス。
戦友等ト別レヲ告ゲ、帰路ニツクモ
「交通事故渋滞距離二十キロ」ノ情報ニ接シ心中暗澹タルノ情ヲ覚エル。
緩ヤカナル車両ノ流レニコノ身ヲ置キツツ
本作戦ヲ省ミテ決意セラルル事ハ
再戦ノ機会アレバコレヲ逃サジ。
所属テイムノ定例会何スルモノゾ
万難ヲ排シテ参加セント誓エリ。
隊長殿御免ナサイ。

以上。

署名 ファンタ上等兵

 

今回わたくしファンタが参加したケ号作戦とは
静岡県御殿場市において有志主催により行われている
「お気楽二次戦イベント」であります。
ゲームの趣旨その他については
主催者さんのHPを見ていただいた方が詳しくて良いかと思いますが
細かいことにこだわらずに二次戦の格好をして遊ぼう!
というイベントです。
個人的には、今までに1回前日のみの参加経験しかなく
具体的なゲーム雰囲気などは皆目分かりませんでしたが
今回二日間参加したことによって
ようやく「ケ号」を理解することができたように思います。
主催者の言葉である
「これはリエナクトでも、サバゲーでもない、ケ号作戦である」
はまさに至言であるように思われます。
もし、二次戦モノに興味があって
遊んでみたいなぁという方がいらっしゃれば
最初はケ号をオススメします。

それでは!

 

隊長記
わがまま突撃隊が所属しているTPOの定例会を
サボっての蛮行ではありますが
面白いレポートを提出してくれたので
全面的に許します(^_^)v
また面白いイベントに参加したらレポートよろしく!