2007/05/26 戦況報告

緊急レポート 海保巡視船の内部やいかに!
(海上保安庁観閲式及び総合訓練)

昨年の海上自衛隊に続き今度は海上保安庁の観閲式で
海上保安庁の巡視船に乗る機会を得ましたので報告いたします

絶好の観閲日和となりました(笑)
出航時間は13時とゆっくりで
乗船場所も晴海埠頭でしたので余裕でした
後の船が隊長親子が乗る巡視船『つがる』です
船番号からわかるようにかなり先輩格の船ですね

 ヘリ1機搭載型巡視船 「PLH02 つがる」  1979年4月竣工



総排水量 4037t
全長 105.4m
幅 14.60m
出力 15,600馬力
速力 22kt
乗員 71名

特殊装備 
ベル212型ヘリコプター

第一管区海上保安庁所属の巡視船
北海道全域とロシア国境付近の海上保安業務が主任務

昭和52年7月1日に改正された領海法及び漁業水域に関する暫定措置法により
領海の拡大と200浬水域が確定した為
広大に変貌した領海域での警備救難業務が必要となった時代背景の中
先に建造された砕氷構造のヘリ1機搭載型巡視船『そうや』に次いで
昭和52年度補正予算で認可建造された

『そうや』に比べ高速化を図る為に船体長/船幅の比率を大きくした
また、船首甲板着氷防止装置、倉庫部結露防止用の天井内張施工
氷結防止温風ブロウ装置置、船橋窓にヒートライト・ガラスの採用など
北方海域用装備を拡充させている


乗船前にはボディーチェックもありました
最近、治安が悪いですからね
しかも、不審船や密輸業者が対象となる海上保安庁ですから
最悪、テロなんて事にでもなったら大変です


乗船までの時間に音楽隊の演奏などもありましたが
別の船の前での演奏でしたのであまりよく見えませんでした


ヘリコプターの格納スペースは総合受付所や
お土産、飲食物等の販売スペースとなっていました
「海猿」や「トッキュー」のイラストなどもあったようです


海上保安庁のマスコット「ウーミン」です
帽子からわかるとおり女の子です
男の子のマスコットは「うみまる君」ですが
『つがる』には乗っていなかったみたいです


おそらく普段は設置されていないであろう設備です
揺れに備えてしっかりと固定されていました


さて、ここで問題です
このオレンジ色の物体は一体何でしょう?
ちなみに材質は鉄板でした

 

正解は筏(イカダ)です


船首近くに鎮座しているのは40mm機関砲です
手前のクモの巣のような場所には20mm機銃があるはずなのですが
整備中なのかそれとも観客から近い為なのか
今日は設置してありませんでした


しっかりした防水パッキンのドアです
早めに乗船したので出航前に船内も見てみましょう


休憩室と兼用ですが図書室がありました
長い航海ですからね
でも本なんて読んだら船酔いしそうです


洗面所には電子レンジもありました
ヒューズが飛んだりしないのかな?


観閲式の時だけの特別室ですね
さすがに中は撮影出来ませんでした


トイレもしっかりとチェックしてきました
ステンレス製の便器です
横のバルブを開いて流します


うみまる君からしっかりと注意事項!
あぁ!中の便器は撮影し忘れました


一般休憩室です
テレビがありましたがちょっと椅子が固めでしたね
しかも足が固定されているタイプでした


こちらは高級タイプの休憩室です
仕官用かな?
海保の階級制度がわからないので
どうやって区別しているのかは不明です


麦茶等のサービスもありましたよ
全体的にゲストへの配慮は自衛隊よりも良かったですね


船内を探検している内に出航時間となりました
こちらも海上自衛隊とは違って帽子を振って見送りしてくれました
こういうサービスも大事だよね


レインボーブリッジを真下からみたところです
この位置からはなかなか見れませんよ


観閲式は東京湾内で行われるのですぐに到着しましたよ
椅子がすべて右を向いているのは
観閲式と訓練が全て船の右側で行われる為です


いよいよ演習(観閲式)の開始です
まずは受閲船隊のパレードです
写真は航路標識測定船『つしま』でございます


受閲中は船員が甲板上で敬礼しています
船橋(せんきょう)部でも敬礼しているのが見えますか?


海上自衛隊から『はつゆき』も参加していました
船首から船尾までびっしりと敬礼しています


千葉県警からも訓練に参加していました
他にも横浜税関や近隣各市の消防局からも参加していましたよ


まずはカラー放水による展示訓練が始まりました
5隻の消防艇が一斉に放水するだけでも迫力あります


続いてヘリコプターの編隊飛行訓練です

こちらもカラースモークでの演出がされてます
下で放水している消防艇は市川消防局の『ちどり』だと思われます


人命救助訓練では火災が起きている船へ
ヘリコプターからロープのみで乗船して
負傷者を救出、ヘリで吊り上げて搬送します


こちらは海に落ちた漂流者を吊り上げてます
もちろんこのまま搬送するわけではありませんよ

この後、ちゃんとヘリの中に入ります


一方、火災を起こした
船は消防艇による消火活動が行われています

大きい消防艇の放水量は25mプールを
数分間で一杯にする量だそうですよ


次は密輸容疑船補足訓練です
海賊船に見立てた巡視艇には
小銃で武装した極悪犯が乗ってます


20〜35m型の巡視艇と高速ゴムボートで追い詰めます
ボートの旋回性能は侮れませんよ


訓練では密輸容疑船に乗り込み
容疑者を確保するまで行われました
いやぁ〜海上保安庁ってのもカッコイイですなぁ


最後は不審船対応訓練です
領海内に侵入してきた不審船に対し
高速特殊警備船で追い詰めます

この「高速特殊警備船」というのは
平成11年の「能登半島沖不審船事件」の教訓から急遽計画された
領海警備重視、特殊任務の高速巡視船です
任務が特殊なため公表されていませんが
防弾装備等のダメージコントロールも施されてあり
最大速力は40〜50kt以上も出るそうですよ
『つがる』と比べるとどれだけ速いかわかりますね


訓練終了後は、恒例のフェアウェル・セレモニーです
参加した全船舶・航空機が趣向を凝らした装い見送りしてくれます
鹿児島の『るりかけす』から手を振る「うみまる君」


彼は東京税関の「カスタム君」だそうです
ちょっとまんまちゃんに似てるけど可愛いね


訓練でも活躍した「高速特殊警備船」『つるぎ』は
酒田所属なので花笠音頭を披露してくれました


毎年、海外からのゲスト船舶が来るそうですが
今年はインドコーストガードから巡視船『SAGAR』です
ちなみに『SAGAR』とは「海」という意味ですよ


総合訓練が終わり、帰港するまでの間に
紙芝居などもあったようです

がしかし、我が親子は休憩室で寝てましたとさ


タグボートで港に接岸します
いよいよ『つがる』から下船の時間が近付いてきました


ところがさすがは我が息子(笑)
ここでもうひと波乱起こしてくれました

単独行動で船内探検中にスッ転んで捻挫です
お陰で医務室の中にも入れましたとさ(^_^;)
母親に報告する為に記念撮影させてもらいました


最後に皆さんと記念撮影させてもらいました
なんと、息子の隣りにいるお方は『つがる』の船長さんでした!
船長なんて簡単に書きますが警察でいうと警視正クラスですよ!
軍隊で言えば大佐クラスですよ!偉いんですよ!


最終難関はコレ
バスに乗る長蛇の列です
でも、臨時バスも沢山出ていたので大きな混乱は無かったです
そこら辺も抜かり無いですなぁ

本日の戦利品

お土産という程の物はありませんでしたね
今回の観閲式のパンフレットと
海上保安庁のPR紙が2枚です
友の会のバッグだけが収穫かも(笑)


船内の物販で買った唯一のモノ
海上保安庁ピンバッチです

おまけ
海上保安庁の第一管区HPでは
今回乗船した巡視船『つがる』の
ペーパークラフトもありますよん
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