2006/10/22 戦況報告

緊急レポート自衛艦の内部やいかに!
(海上自衛隊観艦式予行)

ひょんな事から3年に1度行われる観艦式の予行で
海上自衛隊の艦に乗る機会を得ましたので報告いたします

搭乗受付は朝7時〜8時25分
横須賀に程近い京急田浦駅付近の港まで行くのですが
千葉県市川市在住の隊長としてはかなり早い時間です
しかもチケットを忘れてカミさんに車で持って来てもらっちゃいました
こんな事なら車で送ってもらえばよかったような。。。


朝日に煌めく潜水艦救難艦「ちはや」が今回搭乗する艦です
護衛艦ではないので戦闘装備は皆無なのですが
この「ちはや」にはちょっと思い入れがあるのです

「スプリガン」や「ARMS」といった漫画を描いている皆川亮二氏が
つい最近まで少年サンデー連載していた
「D-LIVE!!」という漫画の中に
この「ちはや」と深海救難艇「DSRV」が登場するのですよ
「D-LIVE!!」を愛読していた息子は大興奮でした(笑)

 潜水艦救難艦「ASR403 ちはや」 2000年3月竣工



基準排水量 5450t
全長 128m
幅 20.0m
出力 19,500馬力
速力 21kt
乗員 125名

特殊装備 
深海潜水装置一式
 深海救難艇

平成8年度計画で建造された海上自衛隊最新の潜水艦救難艦
海中の事故潜水艦乗員を救難するのが主任務
救難能力と阪神大震災の教訓を取り入れて
医務室のほか手術室、レントゲン室などの医療設備に重点が置かれている
艦名は名将楠正成の激戦地「千早城」にちなんで命名

平成14年にはハワイ沖で沈没した漁業実習船「えひめ丸」の引き上げを支援しています
実際に引き上げを行った米国海軍への支援や
海中での遺品捜索のために「ちはや」のDSRVは百数十回の潜航を行ったそうです


時間ギリギリで搭乗したので甲板デッキは既にいっぱいでした
貸出し自由の毛布を敷き詰めてさながら避難民船の様相です


艦が離岸する際に整列して見送る陸上組
見送りの時に敬礼はしないんですね
知ってました?


艦内は撮影自由でしたのでバシバシ撮影しました
また自衛官の方々も気軽に撮影に応じてくれました
(しかもかなりの階級の方らしいです)


これが深海救難艇「DSRV」だぁ!
実物を見て親子でもう大興奮!
ここに載せるのは1枚だけですが
実際にはいろんな角度から何十枚も撮影しています


こちらは無人深海作業艇です
この作業艇もDSRVも個別名称はなく
母艦である「ちはや」と同じ名前がついてます


深海での水圧の凄さを表す展示物
200気圧ではカップが1/4程度になってしまうんですね


さてさて、それでは艦の内部もレポートしましょう
ご存知だとは思いますが艦内の扉はすべて防水仕様で
パッキンと強固なロックが付いています
今回は一般人が乗るということで
随所に黒黄の保護パットやテープが貼られていました


思っていたよりも広い洗面所です
奥には洗濯機もありますね
長い航海勤務では必需品でしょう


医務室は甲板すぐ横にありました
既に船酔いで倒れ込んでいる人もいたので
さすがに中は撮影出来ませんでした


メモリアルプレートも飾ってありました
海外での合同演習等が多かったかな?
ごめんなさい よく憶えてません


公衆電話もありましたよ!
海外へ行った時とかで家族と話したりするのかな?
ちなみに演習が行われた相模湾沖では
auの携帯電話の感度は「バリ3」でした


バッテリー充電室です
手前のオレンジのカバーを被っているのが
DSRVのバッテリーです


艦橋?操舵室?
手前の赤い椅子に座っているのが艦長様です
私が見ていた時にはそれぞれの隊員が
指示や情報を声出していたのに対し
艦長様は終始無言で状況を見守っていました
なんとなく貫禄を感じましたね


艦長席と対になる位置にもう一つ同じ様な仕様の椅子がありました
副艦長席なのかな?
ここは撮影用として開放されてましたので
お客さんが次々と撮影してました
息子も満足気な様子である


上記の部屋の奥にもう一つ「司令室」がありました
ここはDSERV等で救助活動を行っている際の司令室です
こちらにも赤い艦長椅子がありましたが
撮影した場所までしか入れませんでした


階段はどこも急でしかもハッチが付いているので頭上注意です
各階段に最低一人はスタッフが着いていて
誤って落ちたり頭をぶつけたりしないよう配慮してました


減圧室もありましたよ
DSRV内は1気圧なので救助では必要ありませんが
救助ポッドや潜水作業者には減圧室が必要です
何日もの作業中はずっとここで生活するそうです


こんな物を被ったりする事も出来ました
深海作業用のマスクというかヘルメットですね
ヘリウムガスでのダックボイス遊びもやってました


食堂も意外と広かったですが
一度に座れる人数は30名くらいでした
乗員は126名ですから
何回かに分けて食事をするのでしょう


やっぱりというかちゃんとありましたよ
日本の船には神棚ですね!
撮影しちゃったのはバチ当たりだったかなぁ


突然ですが問題です
さてこれはなんでしょう?

 

正解は防水スピーカです


信号用の旗が沢山ありました
左の女性自衛官が他の艦を見ながら旗を出したりしてましたが
いったい何色のどんな模様で何を知らせているのかは判りませんでした
こういうのは万国共通なのかな?


いよいよ演習(観艦式)の開始です
2列に並んだ観閲艦部隊の間を
20隻以上の受閲艦部隊が1列で通り観閲を受けます
40隻程の艦が集まる様は壮観ですね!


護衛艦からの対潜ロケット弾の発射シーン
かなり遠距離でした迫力ある音が聞こえてきます


潜水艦のドルフィン運動も見れました
映画等ではよく見られますが
これってかなり高度な技術なんだそうですね
艦が斜めになってるだもんなぁ
中ではどうなってるんでしょ?


熱探知型のミサイルを回避するIRフレアーです
こんな装備も持ってたんですね

手前の護衛艦「ひえい」にも沢山のお客さんが載ってます


救難飛行艇の海上離着
波はそれ程高くありませんでしたが
それでも事も無げにサラッと着水してたのはさすがです


すぐわきを通りぬけるホバークラフトLCAC
スピードが速いですし
音が普通の船と違って凄く大きいです


最後はP−3Cからの対潜爆弾投下
観閲艦からはかなり離れていると思いますが
爆発の衝撃が伝わってきました


演習の後は帰港まで3時間ほどありますので
デッキでは色々な催しがあったようですが
早起きして疲れた我々は
DSRVのドックで休憩してました

寝ている間に雨が降ったらしく目覚めたら
人で埋め尽くされてました
またもや避難民船の様相でありました


港に戻った時にはすでに夕暮れ時でした
アンカーに繋がれて「ちはや」ともお別れです


これにて観艦式予行は終了です
これから2時間以上かけて帰宅でございます
ホントにお疲れ様でした

ちなみに観艦式の本番は10月29日でした

本日の戦利品

やっぱりお土産はコレだよねの海軍カレー
左は観艦式の式次第
右は「ちはや」のパンフレットです